10代の頃私は自分のことを「それなりに本が好き」な人間だと思っていて、もし将来子どもを産んでその子が大きくなったら、大きな書店に一緒に絵本とか選びに行きたいぞよ~と思っていた。その頃の私は実際の子どもというものを遠くからしか見たことがなかった。 しかし実際に子との生活をスタートさせてみると、自分の息子はとても書店なんぞに連れて行ってはならぬ生物であることがわかった。赤子の頃はそれまでベビーカー内で静かに寝ていたくせに私が店内に一歩足を踏み入れるやいなや(アズスーンアズ)「……ッンギャアアアアアアア!!!」と泣き出すし、親より何よりスティックパンが好きだった一歳頃にはパンのレシピの本を指さして「バン!(当時はパ行の発音ができなかった)バン!ウォオオオオ!バン!バァァーン!」とよだれたらして大騒ぎするし、二歳の時と三歳の時は触ってはならないもの(商品)をむやみに触ろうとするし、表紙とか破れそう