日本企業の株価が上昇する中、多くの大企業がリストラを行なっている。パナソニックやシャープ、ソニーなど日本の錚々たる大企業が数千人単位のリストラを発表している。社員を自主退職に追い込むための追い出し部屋も話題になった。優良企業の電通もリストラを発表した。日本も社員のクビを切って企業業績、そして株価が回復するアメリカ型の社会になってきたのだろうか。筆者は、今回の株価上昇は、もっぱらインフレ・円安期待によるもので、企業業績とはそれほど関係がないと思っている。しかし、日本の大企業も業績が悪くなると社員のクビを切るという、アメリカ型になってきたというのはある程度は事実だと思われる。そして、これはかなり深刻な問題をはらんでいる。今日はそのことを論じよう。 多くの経済学者は、産業構造の変化に合わせて労働者が柔軟に移動するため、雇用規制の緩和が必要だとだと説いている。筆者もそのひとりだ。要するに、解雇規制