とりわけ気が散りやすい人間だと自覚している僕にとって、『ワインバーグの文章読本』は実に励まされる内容でした。これは「文章読本」ではありますが、文章でメシを食うというワーク(&ライフ)スタイルの話も含まれています。少し広げて言えば、仕事のポートフォリオを意識的に組んで生活を送っている人すべてに有益な本だと感じました。 この本では、ネタを拾いながら作品を同時並行的に作っていくことを、石を拾って城壁や家を造るプロセスになぞらえて「自然石構築法」と呼んでいます。石を拾う段階では、それがどの作品のどの部分に収まるのかは、分かりません。 専業ライターは一度にひとつのことだけを書くことはめったにないのだと知っておくといい。 (略) わたしのようにいくつかのプロジェクトを並行していれば、石を見つけたとき、「よし、これはAの壁にちょうどよさそうだ」と考えたりする。もちろん、その石はAの山に積む。しかし、単に