ラジオを聴くために 電波の周波数を合わせるような作業。 あるいは金庫を開けるために ダイヤル錠を合わせるような作業。 つまみを捻って右に回したり、左に回したり。 おそらくこの辺りだという領域を絞り込み、 ほんの少しの微調整を繰り返して、 ピタリと合う場所を探し出す。 するとスピーカーの雑音が完璧な音声に変わる。 閉ざされた重い鉄の扉が嘘のように軽く開く。 ほんの少しズレただけで音は聞こえなくなり、 扉はピクリとも動かなくなる。 私はこれをチューニング力と呼んでいる。 チューニングとは「調律する」「同調する」 という意味の音楽用語である。 機械や器具を「調整」するときにも チューニングという言葉を使う。 調律もしくは微調整。 それがチューニング力の本質である。 儲かる会社と儲からない会社。 成功する人と失敗する人。 売れる商品と売れない商品。 その決定的な違いは何か。 運ではなく実力で結果を