前回は、30Gビット/秒以上の最高スループットを目指す次世代無線LAN「IEEE 802.11be (以下11be)」 の標準化動向や標準化スケジュール、11beによる高速化効果について解説しました。本記事では11beの標準規格を策定する「TGbe (Task Group be)」 にて議論が進む、新機能や新技術について解説します。 複数の無線インターフェースを連携し高速・高信頼を実現 11beにおける主な技術トピックとして、「周波数利用効率向上」や「広帯域化機能の高度化」「マルチリンク機能」「マルチAP(Access Point、基地局)協調・連携技術」「最低遅延・ジッターの改善機能」などがあります。 中でも、これまでなかった新しい機構といえるのが「マルチリンク機能」です。11beでは、MLD(Multi-Link Device)と呼ばれる機器に搭載された複数の無線インターフェースを連携