部屋のなかで山積みになっていたエロ本を処理することにした。僕にとって、エロ本とはエロ漫画のことだ。ひと昔前ならば、夜中に近所の公園のベンチの下に置いておくと、翌朝にはなくなっていて、需要と供給というか、ちょっとした市場というか、世界があったのだけれど、今はもう誰もいない。マナブもアキラもカズノリもいなくなってしまった。そして僕はまだ残っている。たったひとり。 「なぜ、漫画なの?写真とか動画の方がいいじゃない」 そう訊ねられると答えに困ってしまう。愚問だから。逆に問いたい。モデルの趣味やスペックを知りたいか?くだらないインタビューなんて読みたいか?無意味にビーチを走っている姿を見たいか?海は死にますか?山は死にますか?風はどうですか?空もそうですか?教えてください。エロ漫画を否定してみてください。 僕はただ、純粋にオッパイそのものを愛している。その他の要素は排除したい。出来るだけ。可能なかぎ