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ブックマーク / note.kishidanami.com (7)

  • 新幹線が運休した日に、なんとしてでも上京したかった人間の記録|岸田奈美|NamiKishida

    その日は、東京でラジオの収録だった。 映像ディレクターの高橋弘樹さんの番組で。2時間近くもみっちりトークできるってことで、そりゃもう、ワクワクしてたわけ。 前夜、即入眠。 今朝、即起床。ガバ起き。 昭和の戦後間もない映像かなってぐらい、テキパキ動きまくって、支度した。わたしにしちゃ順調すぎて。 全日早起き選手権大会、二位以下に大差をつけ、余裕の表情で新大阪駅行きの電車に乗った。優雅にスマホを見た。 『東海道新幹線、始発から運転を見合わせ』 なんですって? 名古屋あたりで、新幹線、完全に止まってた。 あらかじめ買っといた、わたしの大切な切符、紙切れと化してた。寝てる間に紙切れと化してた。これが競馬の恐ろしさ。 しかも、なんか、見合わせの原因が。 保守車両に、保守車両が、激突したっていう。 そ、そんな、ウルトラマンとアンパンマンが空中で追突するみたいなこと、あるんだ……。 亡くなった人がいな

    新幹線が運休した日に、なんとしてでも上京したかった人間の記録|岸田奈美|NamiKishida
    moandsa
    moandsa 2024/07/30
    なんか明日から頑張ろうと思えた。励まされる疾走感の文章。
  • 家を出るダウン症の弟にはなむけをしたら、えらいことになった(総集編)|岸田奈美|NamiKishida

    キナリ★マガジンで5ヶ月間、10万文字にわたって連載してきた「姉のはなむけ日記」を、9000文字にギュッとして書いた総集編です。全文、無料で読めます。 ゾッとした。 この二年間で、ばあちゃんは認知症になって施設で暮らしはじめ、車いすに乗っている母は心内膜炎で死にかけ、わたしは会社をやめて作家業についた。 ダウン症で4歳下の弟だけは、実家で暮らし、福祉作業所へ通って手仕事をし、マイペースを貫いていた。 ふと立ち止まって、ゾッとしたのは。 この先、わたしや母の身になにかあれば、弟がひとりぼっちになるということ。 わたしですら、ばあちゃんの介護がはじまったとき、役所で福祉の手続きをしたらあまりに面倒でややこしく、泡吹いて倒れそうになったのだ。 障害があってうまく話せない弟は、ちゃんと頼れるんだろうか。 いざというときに頼れる先は、多いほうがいい。弟は26歳。いい人間関係ををつくるには時間がいるの

    家を出るダウン症の弟にはなむけをしたら、えらいことになった(総集編)|岸田奈美|NamiKishida
  • 心が骨折したので、どすこいしんどみ日記|岸田奈美|NamiKishida

    新作を月4+過去作300以上が読み放題。岸田家の収入の9割を占める、生きてゆくための恥さらしマガジン。購読してくださる皆さんは遠い親戚…

    心が骨折したので、どすこいしんどみ日記|岸田奈美|NamiKishida
    moandsa
    moandsa 2021/12/20
    お大事にしてください。書くことが肩の荷を下ろすことにつながればいいんだけど。noteでは逆効果なんだろうか
  • 弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida

    岸田家の歴史を揺るがす大事件が起きた。 わが弟が、莫大なお金を稼いだのである。 大金とは、彼が三十年働いて手にするはずの金額だ。 それを数時間で。 田舎の片隅にある剥がれたフローリングの我が家から、絶世の富豪が爆誕した。血統書のない梅吉(犬)も、高貴なチャウチャウに見えてくる。 弟は生まれつきダウン症なので、障害のある人が集まる福祉作業所で、平日の朝から夕方まで働いており、日給は500円だけど昼が450円なので、手取りは50円だということは、一旦、横に置いておく。 富豪が爆誕したのだ。 (※賃金は弟の障害の程度、作業所が受注できる業務の量、通っている人数などの兼ね合いがあり、弟も働くというよりは、みんなで喋ったり、散歩したりすることをなによりの目的にして通ってるので、ゆるく受け入れてくださる福祉作業所のみなさまにとても感謝しています) さて、その気になる稼ぎ方であるが。 手書きカレンダー

    弟が大金を稼いだので、なにに使うかと思ったら|岸田奈美|NamiKishida
  • 伊丹空港へ飛ぶはずが|岸田奈美|NamiKishida

    仕事で札幌へ行く用事ができたので、いま空港にいる。 京都からだと、伊丹空港までリムジンバスで一時間。関西空港までだと十五分ほど遠くなるし運賃も倍になるけど、こっちの方が航空チケットが安かったので、関西空港を選んだ。 空港までのリムジンバス乗り場は、京都駅の八条口にある。 八条口といっても、タクシーのロータリーから遠い位置にあるので、市街からタクシーで行く人は「八条口まで」じゃなくて「アバンティ前まで」って伝えた方がおすすめ!わたしみたいに時間ギリギリになって、息を切らして駆け抜けた道を振り返りたくなければな! 空港までの道のりをゆっくり歩けた記憶がないので、いつもどっかでキャリーバッグを死体のように引きずって走っている。心斎橋筋商店街の店先でチェーンに繋がれて投げ売りされてる安いやつだと一瞬でコロコロがお陀仏になったし、なにより空の状態でも重いので、わたしの持ち物のなかでもキャリーケースは

    伊丹空港へ飛ぶはずが|岸田奈美|NamiKishida
    moandsa
    moandsa 2021/10/12
    何かよくわからないけどトラブルを引き寄せる体質、人生楽しそう。大変だとおもうけど。
  • 全財産を使って外車買ったら、えらいことになった|岸田奈美|NamiKishida

    12月19日 追記 こちらの記事が、とんでもねえ経緯と熱量で、英語ほか10言語に翻訳されました! 英語翻訳された奇跡の舞台裏note 英語翻訳版の記事 全財産の内訳は、大学生の時からベンチャー企業で10年間働いて、したたり落ちるスズメの涙を貯め込んだお金と。 こんなもん、もう一生書けへんわと思うくらいの熱量を打ち込んで書いたの印税だ。 それらが一瞬にして、なくなった。 外車を買ったからだ。 運転免許もないのに。 「調子乗ってんなよお前」と思った人も、「どうせ“わたしのマネをすれば秒速で車が買えるんですよ”ってやばいビジネスに誘うんだろ」と思った人も、一旦、聞いてほしい。 わたしは、わたしなりに、誇らしい使い方をしたのだ。 あまりにも誇らしいので、一連の流れを12月6日放送の「サンデーステーション(テレビ朝日)」で取材してもらうことになったけど、時間が限られているTVでは、わたしの当の思

    全財産を使って外車買ったら、えらいことになった|岸田奈美|NamiKishida
    moandsa
    moandsa 2020/12/02
  • 24歳の弟は、字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)|岸田奈美|NamiKishida

    わたしの弟・岸田良太には、生まれつき知的障害がある。ダウン症だ。(詳しくは「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」に書いた) 言葉がうまく伝わらない、発音もわかりづらい、みんなと同じことができない、いつもぼーっとしている。 でも、だめなところばかりじゃない。 玄関にを脱ぎ散らかし、母からいつも「あんたはムカデか」とお叱りを受けるわたしに比べ、よっぽど弟の方がきれい好きで、しっかりしてる。 難しい言葉はわからんが「ありがとう」「こんにちは」だけはハッキリ言えるので、すれ違う近所の人たちに挨拶と愛想を振りまきまくる弟は、愛されている。 先日もこのわたしを差し置き、内緒でからあげクンをオマケしてもらっていた。 わたしと弟で同じふるまいをしても、わたしは「アホ」で片づけられ、弟は「お調子者」と呼ばれる。後者がちょっと得をしている気がする。 かれこれ24年間、弟はずっとそんな感じで、楽しそ

    24歳の弟は、字が書けない(はずだった、怪文書を読むまでは)|岸田奈美|NamiKishida
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