安倍晋三元首相の国葬に関し、岸田文雄首相が8日にも実施される国会の閉会中審査に出席する意向を表明したことが、自民党内で波紋を呼んでいる。世論を二分する国葬について、首相が自らの言葉で理解を求めることに異論はないが、国会内での事前調整を飛び越して行政府の長としての一存で「国会出席」を決めることになれば、三権分立に基づく「議院内閣制」の否定につながりかねないとの懸念からだ。根回し不足は「政権の焦りのあらわれ」との指摘もある。 「閉会中審査で、私自身が出席し、テレビ入りで国葬に関する私の決断について質疑にお答えする機会をいただきたい」。首相は8月31日の記者会見で、そう宣言した。