大原さん、大原さん、どうしてそんなに早く逝ってしまわれたのですか? 私は何も恩返しできなかったじゃないですか? 私が今この歳まで役者でいられるのは、大原さんのおかげだともおもっています。 せめてもう一度お会いしたかった。 ありがとうございましたと、心を込めて伝えたかったです。 私が、若くてバカで、思い上がっていて、人の痛みもわからなかった猿のころ、ピート・ハミルの「ニューヨーク・スケッチブック」を貸してくださいました。 「一生返さなくていいから読みなさいね」 そんな素敵な本の薦め方、大原さんしかできないです。 19の夏。 バカな俺をかばって、じかに社長に電話して、 「鶴見君をくびにしないでください」って、会ったこともないウチの社長に頼んでくれました。 社長は大原麗子から電話があったって、有頂天になってくれて、俺を見直してくれました。 「アタシね、ちびだから、あだ名がビッチっていうの、変でし