原発再稼働に舵を切った岸田政権(首相官邸HPより) 岸田文雄首相は5月13日夜、日本テレビの番組に出演し、「原発を1基動かすことができたならば、世界市場に100万トンの新たなLNG(液化天然ガス)を供給するのと同じだけの効果がある」と述べ、安全性が確認できた原発は速やかに再稼働させていていく考えを改めて示した。 「再生可能エネルギーや原子力発電所などを最大限活用する」。ロシア産石炭の輸入禁止を発表した岸田首相は4月8日、日本の電源確保の手段として原子力に言及した。岸田首相が火中の栗を拾うことにもなる原子力に繰り返し言及したのは、電力需要の逼迫や原油、ガス価格の高騰といった差し迫った難問に直面しているからだ。3月下旬、東京電力や東北電力の管内で、電力逼迫警報が初めて発令された。 寒波到来のさなか、暖房の使用を抑えるなど、利用者の節電協力もあって、大規模停電は回避できたが、ロシアのウクライナ侵