突然の電話 テン乗りのダミアン・レーンが勝利して幕を閉じた第90回日本ダービー(GⅠ)。 しかし、この大一番に、初タッグで臨んだのは、彼だけではない。 丸田恭介。遡る事1週間、5月20日に37回目の誕生日を迎えた彼は、初騎乗となるホウオウビスケッツとこの大一番に臨んだ。 「1カ月くらい前、家にいる時に電話がかかってきて依頼されました」 電話をしてきたのは同馬を管理する調教師の奥村武。電話の様子を丸田が振り返る。 「『5月の最後は東京で乗るのよね?』と聞かれ『はい』と答えたら『ダービーお願いします』と言われ『え?』と思っていると、返事をする間もなく、電話を切られました」 デビュー17年目ながらこれまでダービーに乗った事はなかった。電話を手にしばらく「固まった」(丸田)後、意味もなく家じゅうをウロウロ歩いた。そして、思い出した。昨年、ナランフレグで高松宮記念(GⅠ)を勝利し、自身初GⅠ制覇を記
