『やがてアパート大家になるお前たちへ。』パパはとんでもない借金を抱えながら、今日も漏水するアパートのお世話を頑張っている。お前たちが小さい頃、夜中に電話がかかってきて、ベランダに出て謝り倒しているパパの姿を何度も見たことがあるだろう。あれが漏水だ。 この調子なら、お前たちには漏水しないまともなアパートを、無借金で一棟くらいずつ遺してやれるはずだ。さすがに一棟マンションまでは無理そうだ。パパはそれほど体が強くないし、家系的にもそろそろ法定耐用年数を迎える頃だと思う。 でもアパートが一棟あればだいぶ人生の助けになると思うので、あとは兄弟で力をあわせて、愉快な人生を歩んでほしい。力をあわせてと言ったけれど、ひとつの物件を共有すると人間は喧嘩して憎しみ合うようになるので、そこは別々のアパートにしておこうと思う。 あっちのアパートの方が駅から近いとか、こっちのアパートの方が土地の形がきれいだとか、違

