化学機械メーカー「大川原化工機」を巡る冤罪(えんざい)事件で、警視庁が7日に検証報告書を公表したことを受け、捜査に携わったある捜査員が毎日新聞に手記を寄せた。全文は次の通り。【遠藤浩二】 <手記の主な内容> ・組織名の意味、ないがしろ ・「芯から腐敗」自ら証明 ・事件の肝、解明されず 公表された検証報告書を一言で言えば、初代大警視(現在の警視総監に当たる官職)の理念、そして、組織名称でもある警視庁の理念に完全に反している。 腹立たしさを通り越して、情けない限りである。 東京高裁判決で指摘されなかった悪行を、自ら検証するチームではなかったのか。 警視庁を創設した川路利良(かわじとしよし)初代大警視が残した言葉に「声なきに聞き、形なきに見る」がある。 「警察官たるものは、声なき声に耳を傾け、表面的、外形的な現象のみにとらわれることなく、奥に隠されたものを見逃すことなく、真実を暴き出すことが必要
