洲本市西部の海岸で崖の崩落が進み、海岸沿いにある別荘地の家屋が相次いで海に転落していることが自治会関係者への取材で分かった。浸食は現在も進んでいるといい、住民は抜本的な対策を求めるが、海岸管理者の兵庫県は「所有者らによる崖の補強工事など条件が整わないと護岸整備はできない」と説明。本格的な台風シーズンを前に、打開策を見いだせない状況が続いている。(岡西篤志) 洲本市五色町都志万歳の「五色浜ビスターハイツ」。自治会によると、50年ほど前に民間業者が開発し、約60区画を販売。神戸や大阪などの人が別荘などとして購入し、現在も約20世帯が建物を所有する。 住民によると、入居当初は切り立った海岸に沿って砂浜が広がっていたが、冬場に強まる風や波、大雨などで粘土質の部分の浸食が進んだという。阪神・淡路大震災で地盤がさらに緩み、10年ほど前からは基礎部分を失った家屋が十数メートル下の砂浜に転落し始めたと