本連載106「望月桂、宮崎安右衛門、春秋社」のところで書いたように、一燈園の西田天香の『懺悔の生活』が春秋社のベストセラーとなったにしても、それで春秋社が一燈園の専属出版社化したわけではないし、むしろ現在では一燈園と西田のことは忘れられ、春秋社は様々な仏教書の版元として認識されているだろう。 大正時代に台頭しつつあった大本教にしても、傘下の出版社として大日本修斎会はあったが、有朋堂や龍吟社を発行、発売元にしていたりして、特定の出版社との結びつきは前面に出されていなかった。これも拙稿「浅野和三郎と大本教の出版」(『古本探究3』)を参照されたい。 しかし田中智学が大正三年に発足させた国柱会は、国家主義を仏教に取りこみ、日蓮主義運動を出版によって展開しようとする目的もあって、最初から専属の出版社を有していたと思われる。その出版社名を天業民報社という。この天業民報社の本を一冊だけ持っていて、それは
漂泊の歌人、石川啄木と理想郷イーハトーブを夢見た宮沢賢治。同じ中学出身、故郷の岩手に根ざした作品を多く書き、短い生涯の後に評価が高まり、今も絶大な人気を誇るなど、共通点の多い2人です。投稿数では賢治が圧倒的ですが、読者の熱は互角です。 石川啄木…次の一歩へ 勇気くれる 現代に生きる読者にも痛いほど「わかる」感覚を歌人は易しい言葉で表現しました。 かの時に言ひそびれたる 大切の言葉は今も 胸にのこれど を「私にとって珠玉の1首」と書くのは千葉県鎌ヶ谷市の宮田由香里さん(53)。「あの時、もしも胸の内の言葉を発していたら、この道はどう変わっていたのだろう…… 想 ( おも ) いを秘めたまま、折につけ、ふと思い出す歌」だそうです。 函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花 を挙げる横浜市の森秀人さん(65)は「言葉からもリズムからも、短歌は青春のものであると教えてくれる」。函館、札幌
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