大きなケなのか小さなヶなのか判別に迷ふものがある。文字の専門家であるとは限らない、入力ボランティア、校正ボランティアにとって、できるだけ簡単な判別方法は無いものか。 己の記憶が確かならば、そこが“ケヶ指針”の出発点であり目的地で、「ケヶ个の活字見本」に類する見た目で大きさを判定する手がかりが無いといふ状況下で、「こ・か・がと読む」と判断がつけば「ヶ」だとする「区点番号5-17と5-86の使い分け指針」が誕生した。ケヶの使ひ分けと無縁な底本に対してとても有効に機能する解決策であり、己の記憶が確かならば、議論の過程で当時は己もこの指針を支持してゐる。 一方でこの指針は、先日「ケヶ个の何だらう」に記した通り、ケヶの使ひ分けが為されてゐるテキストに対して無力であること――無力でないとしても複雑かつ奇妙な注記を要すること*1――や、「「BBQのウマさマズさ」問題」に類する奔放なテキストにも対処できな