ハングルはむかし「諺文」(おんもん)と呼ばれていた。 卑俗な文字、という意味だそうだ。 「真名」である漢字に対してへりくだった呼び名である。 その意味では本邦の「仮名」と同じ立場にあった。 もっぱら庶民や女こどもが用いる文字である。 その点では、ヒエログリフに対するデモテックにも似ている。 だから、韓ドラの王宮の場面では漢文の掛け軸しか映らない。 もうひとつの漢字圏、ベトナムにも漢字からチュノムが生まれた。 考えてみれば、漢字を受け入れた言語圏は例外なく漢字以外の文字を作り出している。 他の文字圏、たとえばローマ字圏やアラビア語圏、テーバナーガリー文字圏などでは見ることのできない現象だ。 文字そのものが意味を持ってしまった漢字は、中国語以外の言語圏では表記ツールとしてはどうしても完全には適合できないのだ。 だから、そのずれや齟齬を埋め、不都合をとりつくろうためにカナが生まれ、ハングルが生ま
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