今更鑑賞。 ズシンとくるボディブロー。 いわゆる「ボクシング映画」でイメージするものとは対極にあるような映画。 つまり、この映画にはボクシング映画につきものの・・・そして、観客が期待するはずの「カタルシス」が一切ない。 そもそもボクシング映画ってのにつきものの「トレーニングシーン」もほとんどない。 だから、なぜ主人公が強いのかってのが全然わからない。 また、ボクシング映画につきものの、勝利を喜ぶシーンもほとんどない。 そもそも、本当に主人公が勝ちたいのかどうかもよくわからない。 あるのは家庭がうまくいかない姿とか。 妻に嫉妬しまくる姿とか。 なんだかしらないけどずっと鬱屈している姿とか。 唯一の理解者であったはずの弟との断絶とか。 とにかくひたすらイライラしている男の姿がメインで。 そういう鬱屈をボクシングでなんとかやり過ごしているっていう。 そんな映画。 だから、これはある種の幸せになれ