この作家さんはすげえ。 この短篇集を読んで、あの悪寒はラッキーパンチではなかったのだと改めて思い知った。 まあ、ある意味でラッキーパンチだったらよかったのに・・・と思わなくもないのですが。 とにかく「描きたいもの」がはっきりしている人間は、創作家としてものすごく強いなという感じ。 近年、ここまではっきりと「描きたいもの」がある人も珍しいんじゃなかろうか。 じゃあ、この人の「描きたいもの」ってなんだっていうと。 それは要するに負け犬が負け犬として容赦なく駆逐される瞬間で。 どの短編にも、基本的にぼっこぼこに負ける弱者の凄惨な姿が描かれる。 すげえなぁと思うのは、それさえ描ければいいんだって言わんばかりの、「物語」への執着のなさで。 とにかくぼっこぼこにやられた後は、やけっぱちのように「さあこれからだ!ワンスアゲイン!」みたいな大ゴマで無理やり終わる話ばかりが収められている。 さすがに見せ方は
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