5月、福井県にある地方漁港の冷凍庫から大量の甘エビが消えた。 2015年3月に発表された、地方創生の水産事例第1弾となる福井県坂井市との北陸新幹線開通記念フェア。実施したのは、水産業界の活性化を目指すスタートアップであるフーディソン(Foodison)が運営する魚の小売店sakana bacca(サカナバッカ。現在、武蔵小山・中目黒の2店舗)。店頭で提供された甘鯛やメバルといった北陸の旬の味が受け入れられただけでなく、同時に行った飲食店向けの試食会での評価が高かった。 産地への出荷要請は止まず、飲食店からは1日平均で90件、キャンペーンを行った月間で通算約2700箱もの甘エビが売れた。現場も混乱し、漁港側の体制が追いつかず坂井市の自治体職員が出荷の手配を代わりにやるほどだったという。 「福井での取り組みはかつてない大成功。都内店頭での消費者向けキャンペーンも好評だったが、料理人さんに食べて