神奈川県三浦郡葉山町。“葉山の別荘”という響きは日本全国に通じるブランド力があり、現在もバカンスシーズンには多くの別荘利用客が現地を訪れているのは皆さんご存知のところだ。 もともと葉山が別荘地として注目されるようになったのは明治20(1880)年代のこと。レナード・D・マルチーノ駐日イタリア公使や、ドイツ人医師のエルヴィン・フォン・ベルツ博士等の外国人が、温暖な気候と風光明媚な情景に惹かれてたびたび葉山を訪れ、その魅力を紹介したことから『別荘地』としての歴史がスタートしたとされている。 明治22(1889)年、大船~横須賀間を結ぶ横須賀線の開通をきっかけに、政府の要人たちが別荘を建てはじめるようになり、明治27(1894)年には天皇御一家の保養地として『葉山御用邸』が開邸したことなどを受けて、葉山の『別荘地』としてのブランド力が確立されることになった。 しかし、近年は『別荘所有者の高齢化』