【クジラのソラ 01】 瀬尾つかさ こりゃあ、本物だわ。 すごい、これはすごい。凄絶。このベクトルの衝撃を受けたのは、そうだな、あさのあつこの【バッテリー】以来だ。 よくぞ発掘した、富士見ファンタジア。えらい。すごくえらい。 ただ、現状のライトノベル各レーベルを鑑みるに、他のどのレーベルよりも、富士見ファンタジア以外になかったような気がする、この作家さんは。 そういう作風。 ただし、このまま富士見ファンタジアでやっていくべきかというと、ちょっと首を傾げたくなる。 正直、これはスレイヤーズやオーフェンの系譜に連なる富士見ファンタジアの主軸を担うようなタイプではない。アニメ化などのメディア展開をしたとしても、この作家の作品の雰囲気を伝えられるとは思えない。 読了直後は全然そんなことはなかったんだが、こうして感想を書くために作品を振り返っていると――なんだか泣けてきた。 この瀬尾つかさという人は