妊娠中絶の生命倫理 作者: 江口聡出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2011/10/11メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 95回この商品を含むブログ (17件) を見る 英語圏の70年代からの中絶の生命倫理の代表的な論文を集めて翻訳したもの。これまでの断片的な翻訳紹介を一新するエポックメイキングな本だと言える。収められているのは、JJトムソンの「妊娠中絶の擁護」という中絶についてのもっとも有名な論文の全訳をはじめ、トゥーリーの「パーソン論」論文の全訳、ウォレン、イングリッシュらのしぶい論文、シャーウィンのフェミニストからの視点など。なかでも注目すべきはやはりトムソン論文の全訳だろう。それとトゥーリー論文の改訳か。この二つとも、日本の生命倫理学草創期の「バイオエシックスの基礎」での抄訳を乗り越えてそれを一新するものであり、前著を持っている者は本書を備えるべきであろう。 そもそも
ジョン・ヌーナン、「歴史上ほぼ絶対的な価値」(抄)(太田徹訳)。典型的なプロライフです。胎児も人間であって、人間の命には平等な絶対的価値がある、と主張しています。 ジュディス・ジャーヴィス・トムソン、「妊娠中絶の擁護」(塚原久美訳)。紹介さえ不要な超超有名論文。応用倫理学で一番有名な論文でしょう。ただし『バイオエシックスの基礎』では抄訳でしたが、今回は全訳しています。抄訳しか読まないでこの論文に言及していた人は 必ず 読みなおしてください。読みなおさずに生命倫理学の議論する人は今後インチキ生命倫理学者と認定される可能性があります。 バルーク・ブロディ、「妊娠中絶に関するトムソンの議論」(藤枝真訳)。トムソンの議論を「自己防衛」ととらえて攻撃しています。 ジョン・フィニス、「妊娠中絶の是非:ジュディス・トムソンへの応答」(小城拓理訳)。カトリック倫理学の立場からトムソンを全力で攻撃しています
「アナーキー」の概念には、その語義・用法からして、おおよそ3つの意味が見出せる。第一の意味は、(1)無秩序である。これは秩序が失われた状態として否定的に言及される一般的用法のほか、特にヒエラルキーと呼ばれるような階統的な秩序の反対概念として、もっぱら記述・分析に用いられることがある。例えば、統一的な政府機構を持たない国際社会を指してアナーキーと言う場合が、これに当たる。したがって、記述・分析概念として用いられる場合のアナーキーは、無‐秩序なる否定的現象ではなく、一定の均衡状態≒秩序の現象形態を階統的/非階統的の軸上で分類する際の、一方の極を占める術語である。 第二の意味は、(2)無権力ないし無支配である。「an+archy」の由来からすると、もっとも原義に近いのはこの意味である。権力や支配の不在を指す、こうしたアナーキー概念に基づくなら、アナーキズムは無権力主義・無支配主義を意味することに
以下、金一栄先生と共訳した長谷部恭男・杉田敦『これが憲法だ』(朝日新書、2006年)の韓国語版『憲法論争:民主主義対立憲主義』の原著者による序文です。出版社の論衡から許諾を得て、ここで紹介します。続いて、訳者解題「憲法論争の地平:『民主化以降の民主主義』から『民主化以降の民主主義と立憲主義へ』」を掲載します。 長谷部恭男「韓国の読者の方々へ」 この本は、立憲主義(constitutionalism)とは何かを中心的なテーマとして、杉田敦教授と私とが行った対談をまとめたものです。 立憲主義は16世紀から17世紀のヨーロッパで生まれた考え方です。宗教改革後の宗派間の激烈な対立、大航海を通じた異質な文化との遭遇を通じて、人々は世の中に相互に比較不能とさえいえるほど異なる多様な価値観、世界観があることを認めるようになります。単一の教会を通じて、何が正しい生き方かが一つに決まっていたそれまでの世界か
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く