タグ

ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (13)

  • 結婚は素晴らしい v.s. 結婚は人生の墓場

    オススメを持ち寄って、まったりアツく語り合うスゴオフ。今回は「結婚」をテーマにした作品が集まったぞ。シーサー株式会社の一室を会場にして、結婚に夢を抱いている未婚の方も、結婚にだいぶ疲れた既婚の方も、生々しい話に及ぶ。 今回はいつもと違って、二つのアプローチから選んでもらった。すなわち、「結婚は素晴らしい」という肯定派と、「結婚人生の墓場だ」という否定派だ。 最初は、結婚のダークサイドな作品が中心に紹介されていたけれど、後半になるに従って、結婚をポジティブに捉えたが続々と出てくる。そういや、「結婚人生の墓場」という人には、「夜は墓場で運動会」と返しなさいって、ばっちゃが言ってた。 著者対決も面白い。林真理子のネガティブv.s.西原理恵子のポジティブを並べてみると、如実に出てくる。ゴジラ対ガメラの対決じみてて面白い。どっちに軍配が上がるかはレポートしているので、ご自身で判断してほしい

    結婚は素晴らしい v.s. 結婚は人生の墓場
  • 鬱 に 効 く 映 画 『シネマ・セラピー』

    ダウナーなときは寝るに限る。三時に覚めたらどうするか? アルコールは感情の増幅剤だから控える。集中しない(したくない)ので、はお守り代わり。図鑑や手記など、断片で読めるものにして、うっかり“何かを思い出す”ことのないよう、小説は避ける。岩波青か、講談社学術文庫がいい、『自省録』『ガリア戦記』『言志四録』が鉄板。考えないための読書。 ところが書は、映画を提案する。精神科医が選んだ、適切な映画を観ることで、「死にたい」気持ちがほぐれてくるという。当か?意識を向ける必要がある映画は、ダウナーなときには向いていないと思っていたのだが……著者によると、自殺を客観的に捉え、遺される人を考えたりする上で新たな視点を提示してくれるのが、これらの映画なのだと。 著者は精神科医。自殺の実態や危険因子を解説したあと、自殺にまで追い詰められた人の心理をレポートする。さらに、「自殺したい」と打ち明けられたらど

    鬱 に 効 く 映 画 『シネマ・セラピー』
  • 俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本

    わたしの嫁さんは、美人である。 いわゆるカワイイ系ではなく、美人。レトロなフランス人形のような整った顔立ちをしている。一目惚れから十数年、結婚してよかったなーと思う。 だが、男女が一緒に暮らすのだから、順風満帆というわけにゆかぬ。カッとなって激しくやりあった夜や、冷たい応酬の日々が続いたときは、後悔することもある。 さらに、メタ視点から、「この結婚」に対する認知の歪みも自覚している。結婚に費やした時間、コスト、感情、労力が莫大かつ取り戻せないため、「この結婚はいいものだ」という認識に反する事柄を、予め排除しようとする。この結婚を否定することは、そこに費やしたわたしを否定することになる。あまりに犠牲が大きいため、結婚を疑うことに一種の恐怖を感じる。 そしてこれを、「サンクコストの誤謬」と呼ぶことも知っている。莫大な投資をした事業から撤退しようにも、取り戻せない費用を、サンクコスト(埋没費用)

    俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本
  • 『時間ループ物語論』はスゴ本

    古今東西の時間ループ物語を題材として、現代日を生きる人々が抱く価値観、人生観へ肉薄する佳作。十年前のテキストサイトでよく見かけたオタ的論述スタイルが、暑苦しく膨大に展開されており、懐かしくも愉快な読書と相成った。 うる星やつら『ビューティフルドリーマー』や、涼宮ハルヒ『エンドレス・エイト』といったアニメから、ゲーテ『ファウスト』、落語『芝浜』、漱石『それから』、果ては浦島太郎伝説を俎上に乗せ、定義、掘り下げ、類型化、普遍化し、物語の根っこである「願望充足」「カタルシス」にまで至る。 アニメ、映画小説、古典、神話……膨大な作品を次々と挙げ、脱線に次ぐ脱線を繰り返しながら語られてゆく、著者独特の「読み」の過程や考察がめっぽう面白い。リアルタイムでエヴァ論を読み重ねてきた人にとって、「時間ループ」はたまらない材になるだろう。 たとえば、若返り譚も含めると、ループ物語は古代から前史があったと

    『時間ループ物語論』はスゴ本
  • この書店がスゴい『TOKYO本屋さん紀行』『TOKYOブックカフェ紀行』

    いわゆる、物量で圧してくるギガ書店ではなく、厳選され演出されたセレクトショップをご紹介―――というよりも、そのガイドをご紹介。いつもの屋を通り過ぎ、電車に乗ってでかける価値あり。 『TOKYO屋さん紀行』に紹介されてる書店に共通するのは、「人とのつながり」。は単品で並べられるのではなく、ある意図をもって他のとの関連性のもとで棚が編集される。そこには店員の意思があり、店のポリシーまで手繰ることができる。興味を惹いた一冊や既読、さらにはイベントを通じて、棚とスタッフに共感する。同調する人が集まってくる―――これからの書店は、そういう「場」を目指しているようだ。 たとえば、千駄木駅から5分の往来堂書店。丁寧に編集された棚が、読み手に「発見」の喜びを教えてくれるという。著者や出版社で分けるのではなく、意味のつながりがあるを並べてつなげてゆく、いわゆる「文脈棚」。これが十八番だった松

    この書店がスゴい『TOKYO本屋さん紀行』『TOKYOブックカフェ紀行』
  • スゴ本オフ「食とエロ」レポート

  • この本がスゴい!2012

    人生は短く、読むは多い。せめてスゴいと出会えるよう、それを読んでる「あなた」を探す―――このブログの究極目的だ。ともすると似たばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重な存在だ。 ネットで呟いたり、オフ会で発表したり、集団でブックハントに勤しんだり。バーチャル・リアルを問わず、そんな「あなた」同士の交流の場で、加速度的にスゴいに会ってきた。中でもここ一年で読んできたものから、選りすぐりを並べてみた。 実は、ここは既読のご紹介の場なので、氷山一角だ。だから、一番アツいfacebook「スゴオフ」を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるデ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 このがスゴい!2011 このがスゴい!2010 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい

    この本がスゴい!2012
  • 早川書房 X 東京創元社の100冊

    好きなを持ちよって、まったりアツく語り合い、最後はオススメ交換会。 今回は「早川書房・東京創元社」で集まったり集めたり、過去最大級の賑わいなり。ご協力いただいた早川書房さま、東京創元社さま、ご参加いただいた皆さま、主催者・スタッフの方がた、ありがとうございます。ズバピタさん、7時間に及ぶtwitter実況、大感謝です。メガ便利ですがギガ大変だったはず。 ハンティングの結果、得られた気づき、そしてわたしのプレゼンと、書くことも沢山ある。このエントリでは、以下の順にまとめよう。 1. 早川書房 X 東京創元社の100冊 2. 小中学生のための早川書房 X 東京創元 3. kindleと『薔薇の名前』 1. 早川書房 X 東京創元社の100冊 まずはプレゼン、プッシュ、放流された獲物たち。会場、facebook、twitterから、事情により持ってこれなかったり放流できなかったものも含め、新刊

    早川書房 X 東京創元社の100冊
  • ゲームと犯罪と子どもたち

    まずアメリカの現実。次の選択肢のうち、正しいものが一つある、あててみて。 ゲーム・プレイヤーの大半は子ども(18歳未満)で、50歳以上でTVゲームPCゲームをする人は、ほとんどいないベルトウェイ狙撃事件犯のマルボは、Xbox「ヘイロー」をしながら殺人の練習をした。「人間の姿をしたものを何度も撃って、感覚が麻痺していました」2005年8月、アメリカ心理学会は、「テレビゲームの暴力シーンの73パーセントで犯人は罰を受けておらず、暴力は紛争解決の有効な手段であると教唆している」と発表した米国医師会によると、2001年、もっとも暴力的ゲームの一つとして「星のカービィ64」が挙げられた。 答えは4。 ゲームプレイヤーの平均年齢は35歳で、50歳以上は25%を占めている(*1)。"Halo"の敵は昆虫型だし、狙撃犯マルボは、物の銃で練習した(*2)。「暴力を教唆している」と批判されたのは、ゲーム

    ゲームと犯罪と子どもたち
  • 本好きが選んだハヤカワの170冊

    オススメを持ち寄って、まったりアツく紹介しあう「スゴオフ」、今回のテーマは「ハヤカワ」!これまた楽しく美味しいだけでなく、積読山脈を成長させるスゴい回だった。 午後一時から夜八時、延々7時間のマラソン・オフ会、見てくれこの獲物。 ばかりですまぬ。場の"ふいんき"はやすゆきさんの「早川書房さんシバリスゴオフは直球、変化球アリで「さとし」が大人気の楽しいパーティだった」でどうぞ。 まずはSF、「ハヤカワといえばSF」の通念をあえて外したのか、SFはあるにはあるが、期待したより少なめ。おすすめプレゼンでは、イーガンもホーガンも、ギブスンもレムもないのがちょっと驚き。代わりにブラッドベリやハインライン、クラークが熱く語られる。暫定的結論によると、「幼年期の終わり」はSFオールタイムベスト、「ハイペリオン」はSFのラスボス」になった。「幼年期の終わり」と「ブラッド・ミュージック」はペアで読むと

    本好きが選んだハヤカワの170冊
  • スゴ本オフ@ミステリ報告

    ミステリを語るのがこんなに難しいなんてッ 12/3に麹町で実施。好きなをもちよって、まったりアツく語り合うオフ会、今回は「ミステリ」がテーマだったのだが―――ネタバレなしでミステリを紹介するのが、こんなに難しいとは思いもよらなんだ。 もちろん、画面に向かって独り語りする分には問題ない。ブログの読者と、紹介の読者を想定して、どこまで出すかを線引きする。で、そのラインぎりぎりを狙って放つか、あるいは全く異なる次元で描写するといった遊び方ができる。 しかし、面と向かって反応を確かめながらだと、線引きが難しい。しかも聞き手の中には、読んだ人が混ざっている。この、読んだ人にも未読の人にも面白く(かつネタバレなしで)語るのは苦行そのものだった。(未読の方むけの)作品の魅力にとどまらず、既読の方には「オレはこう読んだ、犯人はホントは○○じゃね?動機は…方法は…」としゃべりたいがしゃべれない。のたうち

    スゴ本オフ@ミステリ報告
  • この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 ともすると似たようなばかりに淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」と教えていただいたおかげ。もちろん、好きなだけ・屋さんだけで完結しても問題ない。それでも全部読むのに一生以上かかるだろう。だけど、自分の地平を拡張するため、あえて知らない趣味、行かない場所に足を運ぶ。その収穫が、沢山の「あなた」からのオススメになる。昨年までの探索結果はこの通り。 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 さらに、今年は「スゴ」のチャネルを増やしたぞ。「スゴオフ」と銘打って、リアルでの交流を図ってきた(直近だとスゴオフ@ミステリを12/3にするよ)。ネット越しと違うのは、圧倒的な情報量。おすすめをプッシュする熱とエントロピーが

    この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • プレゼンを上達させる三冊

    昔の蔵出し。プレゼン上達のための三冊。要するに場数の問題なのだが、もっと準備するべきところがあるのでは?備えあればうれしいな、といえる三冊を選んだ。週刊アスキー2010年1月5・12日号のレビューを転載(編集部より許可済)。 「プレゼンテーションZen」は、読むだけでプレゼンが上達する。いや、「見るだけ」で上手くなる。なぜなら、書そのものが優れたお手になっているから。巷に数多のハウツーとは一線を画し、優れたプレゼンへのメソッドではなく、アプローチや心構え、哲学を提示する。プレゼンといえばパワーポイントを弄ることだと思っているなら、「まず、パソコンから離れろ」という提案は新鮮かも。重要なのはストーリーテリング(物語)で、スライドはその「演出」にすぎないという。だから最初は紙とエンピツだけで、「何が言いたいのか、なぜそれが重要なのか」に向かい合えというのだ。詳しい紹介は、「プレゼンテーシ

    プレゼンを上達させる三冊
  • 1