靴下は爪先から脚部をおおう衣類で、編物で作られている。 その編物の技術はいつごろ、どこで発祥したものであろうか。技術の歴史はその記録も少なく、保存されている製品もまれで、その事跡をたずねるのは困難とされている。しかし、1本の糸と1本のかぎ針があれば編目が作れることからすれば、その起源は相当古いものであることは想像できる。考古学的には、紀元前に作られたと思われる編物の一部が発見されている。 エジプトのアンチーノの町から多くの織物や衣類と一緒に見つかった靴下や、墳墓から発見された靴下は、編目を増やしたり減らしたりした、完全な編物で作られた指付きの子供用の靴下で、4世紀から5世紀の物とみられる。これらの靴下は、レスター美術博物館、ロンドンのビクトリア・アルバート博物館に所蔵されている。