昨日、鹿児島川内原発に再稼動用の核燃料が装填された。電力会社も国も、福島第一やチェルノブイリのような深刻な大事故の発生を真剣には想定していない。政府が想定する規模の地震や津波などの自然災害に対する対策の基準をコンピュータのシミュレーションによって満たしさえすれば、住民を避難させなければならないような事故は起きない、というのが基本的な「理屈」になっているので、福島で起きたような住民避難を必要とする事態はありえないということで済まそうとしている。具体的な一人一人の住民や、原発の現場で働く人びとの固有名詞を伴う存在を念頭に置いて、彼らの生存を確実なものにできているのかという「心配」など原発現地から遠く離れた国や電力のトップには無縁のことだろう。彼らにとっては、「人」とはその程度の「数」でしかない。ましてや、「自然」などというものは、ゴミ捨て場でしかなく、ヒトが自然生態系の均衡のなかでかろうじて生