「金融は、『IT=経営』の図式が成立する稀有な業界です」と語るのは、戦略コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニーのプリンシパルで、日本支社ビジネステクノロジーグループ(BTO)のリーダーを務める横浜信一氏。確かに、小売業や流通業などでは人やモノが動いて初めて業務が成立する。ITはそれを円滑に実現するための「サポート役」と見られている。しかし金融は、カネという数字のやりとりこそがビジネス。いわば情報処理そのものが業務遂行、さらには経営と不可分な業界なのだ。 「金融SEになるということは、金融機関の経営の一部に携わることも意味します。金融の社会的影響力を考えると、金融SEとして高い能力を獲得すれば、世の中にも影響を与え得るということになるでしょうね」 特に、上流工程を担当するとなれば、システムのグランドデザインを描くこともある。それは業務の全体像をデザインすることであり、