友人関係に悩む若者へ向けた新書「友だち幻想」(筑摩書房)が今年に入って、それまでの約3倍の売り上げになっている。9年前に書かれた本に、何が起きているのだろうか。(塩原賢) 「突然売れ出したんです」。同社営業担当の高田俊哉さん(47)が記者に言った。発売は2008年3月。20刷4万2千部を超すが、月平均100冊程度でじわじわと売れてきた。 それが今年1月に170冊を超えた。複数店で目立つよう置いてもらった2月は500冊に。3、4月も300冊前後と売れた。 高校生以上が対象の「ちくまプリマー新書」だが、購買層は50代以上の男性が7割。「友だち幻想」は10代が4割近くを占める。 記者は44歳。高校1年の長女がいる。若者の友人関係に変化が起きているのだろうか。取材を始めた。 筆者は、宮城教育大学の副学長だった社会学者の菅野仁さん。昨年9月、病のため56歳で亡くなった。 担当編集者の吉崎宏人さん(5
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