――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り! 【今回の映画 『8マン すべての寂しい夜のために』】 1960年代前半、当時の男児達を虜にしたロボットヒーロー『8マン』(アニメ番組表記『エイトマン』)。原作は、『幻魔大戦』などで有名な平井和正。絵は丸みのあるキャラクター全盛時にあって、シャープでアダルトなタッチが斬新だった桑田次郎(現・二郎)。だが何度もリメイクされ、現在もグッズが生産され続ける同時代の『鉄腕アトム』『鉄人28号』に比べ、『8マン』は常に“茨の道”を歩んできた。その一部始終を紹介する前に、まずは8マンとは一体何者なのか、紹介しよう。 ■8マンとは? 8マンは米国で秘密裏に開発された人間型ロボットだったが、軍事利用を嫌った開発者の谷博士が日本に隠し、殉職した刑事の記憶をその電子頭脳に移植した。そして7班ある警視庁捜査一課の「8