「登山道はだれのものか」−。登山のスポーツ競技化、ファッション化に伴い、山のルールをめぐるトラブルが後を絶たない。登山競走を楽しむ「トレイルラン」(略してトレラン)の愛好家の増加によって、狭く険しい山道では一般登山客と“一触即発”の状況だ。桜が満開の頃、ミシュランの旅行ガイドに三つ星の山に選定されている高尾山(東京都八王子市)で見かけた“とんでも実態”を紹介する。 ■何でもありの高尾山 都心から電車で約1時間。登山口までのアクセスがいい高尾山は週末ごとに多くの登山客やハイカーでにぎわう。ロープウエーや複数の登山ルートが整備。初心者でも登れる高尾山は“登山銀座”のにぎわいを呈している。標高599メートルと、スカイツリー(高さ634メートル)と比べても35メートル低いが、その歴史は奈良時代にさかのぼる。 日本の名峰を紹介した『日本百名山』(新潮社)で知られる作家、深田久弥(きゅうや)は、
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