古い家の価値を引き出す 今回話をうかがうのは、建築家の馬場正尊さん(Open A)だ。8年前に馬場さんが中心となってスタートした「東京R不動産」は、新しい視点で不動産を発見するというコンセプトで、仲介も手がけるウェブサービスとして注目を集めてきた。いわゆる「リノベーション物件」をメインに扱い、今では「東京」だけでなく、「房総」「金沢」「神戸」「福岡」などとエリアを拡大している。 気になるのが「リノベーション」という言葉だ。私の記憶では2000年代の半ばごろからなんとなく耳にするようになり、建築用語とはいえ、今やかなりポピュラーな言葉になっている。「リノベーション? あ、流行りの……」という印象だ。昨今のリノベーションブームにはどういった背景があるのだろう。 国土交通省の調べによると、2009年は42年ぶりに新設住宅着工戸数が78万8410戸に激減した記録的な年だった(2008年は約103万
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