契約時にあらかじめ賃貸借期間を定め、期間が終わると更新されることなく契約が終了する定期借家制度。平成12年から施行されたものだが、実は近年この制度を適用した物件が増えている。不動産情報サービスのアットホームによれば、首都圏における2010年度の定期借家物件数は、前年度比34.6%増の8万8966件。賃貸物件に占める割合は3.4%に過ぎないとはいえ、着実に増加しているようだ。 では定期借家制度にはどのようなメリットがあるのだろうか? 「定期借家制度のメリットを受けられるのは、おもに貸主サイドでしょう。通常は契約期間が満了しても借り主に住む権利(借家権)が継続するため、貸主の意思で契約を終わらせることができません。そのため居座りや立ち退き料などの支障が生じていたのですが、定期借家制度であればそれらのリスクを回避できますから、貸主が不安なく賃貸経営を行えるんです」 お答えいただいたのは賃貸