「日本最古の企業」ともいわれる社寺建築「金剛組」(大阪市天王寺区)が、異例の当主不在に陥っている。記録が残る過去400年で初の事態という。聖徳太子の命で四天王寺を建立して以来という伝統をどう守るか、模索が続く。 宮大工たちが1年の安全を祈る神事「手斧(ちょんな)始め」(大阪市無形民俗文化財)が四天王寺で挙行された今年1月11日、異変があった。「四天王寺正大工(しょうだいく)」の称号を持つ金剛家当主の姿が、なかったのだ。 金剛組によると、1千年を超える昔から、当主が式を毎年取り仕切ってきたとされる。ところが昨年10月28日、39代目金剛利隆さんが後継者不在のまま89歳で死去してしまった。