新型コロナウイルスの感染が急拡大していることに加え、海外で感染力の強い変異株が確認されていることから、政府はようやくビジネス関係者らの入国を制限することになった。「政府はなぜ海外からの入国を制限しないのか」という強い声に押し切られた格好だが、なぜ政府は入国制限に対して頑なまでに消極的だったのだろうか。 【写真】インドネシアのスラバヤ・グブン駅の風景。日本が協力した在来線高速化にインドネシアが中国を招請 一部の論者は中国や韓国などに遠慮した結果だとして、政府を強く批判しており、一部のメディアも近い論調で記事を掲載している。だが、単純に中国や韓国からの要請で入国制限を実施しないというのはどう考えても不自然であり、もう少し突っ込んだ考察が必要である。 (加谷 珪一:経済評論家) ■ 「経済優先」という分かったような分からないような理由 政府は新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年2月以降、