国家主席として現代の中国を統べる「21世紀の中華皇帝」習近平。黄信号がともる中国経済の安定化に取り組む一方で、「腐敗撲滅」を理由に共産党内の粛清を進め、国内言論の弾圧も大幅に強化。自身への個人崇拝キャンペーンを進めるなど、近年の中国の指導者には例を見ない個人独裁的な統治姿勢を見せている。そんななかで、今年2月に出版されたのが、彼が著書や演説で引用した中国古典を紹介する書籍『習近平用典』だ。 前回の原稿では同書の分析を通じて、習近平が父親の習仲勲とコネを持つ学者グループを、自身の「中の人」として引き継いだ可能性に言及した。今回も引き続き、『習近平用典』を取っかかりに、彼の知られざる素顔に迫っていこう。 「草野球選手」はなぜオールスター戦に出場できたのか 前回、私が注目したのは『尹文子』などのマイナー古典が引用された背景についてだった。 だが、実は『習近平用典』にはもっと不思議な引用もある。こ
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