空母という軍艦は、派兵やいわゆる砲艦外交にはうってつけだが、保有するには実に手のかかる代物でもあるようだ。 現在、世界の空母保有国は、アメリカ、ロシア、フランス、タイ、イギリス、イタリア、スペイン、インド、ブラジルの9カ国。保有数はアメリカの10隻以上を除き、各国1ないしは2隻。アジアではインドとタイが各1隻だ。では運用や稼働面はどうなっているのだろうか。 空母は、建造費、維持費、人件費などとにかく金食い虫のようだ。基本的に空母を含め軍艦は、最低でも3隻のローテーションなくしては、その能力を充分に発揮できず、実戦配備用、訓練用、そして点検・修理用の各1隻が必要となるといわれている。 また空母単独では敵の攻撃を防ぎきれないため、サポートする軍艦も欠かせない。当然、関わる人員も大所帯となり人件費もそれなりにかさむ。そのため、実質空母の持つ能力を活かしきれているのは、アメリカだけという見方