パナマ運河の拡張工事完成式典が6月26日に実施されたが、そこに習近平主席の姿はなかった。パナマ政府は各国首脳に完成式典の招待状を送っているが、3月25日の時点で、中国外交部の洪磊副報道局長は、同式典に習近平主席は出席しないとの見通しを明らかにしていた。 正式に招待されたにもかかわらず、ただ「出席しない」という回答はいかにも失礼に思えるが、実は、中国はパナマと国交を結んでいない。パナマは台湾と外交関係があり、台湾の蔡英文総統は完成式典に参加した。 中国にとっては、「パナマが中国と台湾の両方を招待したことこそ失礼」という認識で、中国外交部は、「中国の外交は『一つの中国』の原則を根本的な前提としている」と述べ、不快感を示した。 パナマ運河拡張式典に参加しない理由は色々と考えられるが、中国が築こうとしている「パナマ運河の強力なライバル」抜きには語れない。それがニカラグア運河である。ニカラグア湖を横