6月23日の国民投票でイギリス国民の投票者の内、多数派はヨーロッパ連合離脱を選択しました。その原因についてこれまで様々な説明がなされています。確かに投票行動に差があることは確かですが、EUという政治共同体がもつ構造的な原因についてはあまり言及されていません。 そこでまずはこれまで行われている説明を整理したうえで、何がイギリス人の多数派を離脱投票へと動かしたのかを見ていきます。 既存の説明のパターン これまでよく見られている説明は、世代、地域、学歴といった属性によって行われています。(4つ目の説明は例外) ①年代による投票行動の差 若者にとって、自由にヨーロッパを旅行したり、他国で働いたりすることや、域内内での自由な往来*や経済活動は物心ついた頃から存在しており当然の事実になっています。しかし、年齢が高くなるほどそのような措置がない時代を知っており、これらを所与の現実とは思っていません。です