「正しく」「進んでいる」かのように信じられる「現代の私たちの価値観」は、本当は「かなり偏ったもの」だと言えるワケ 人間のパーソナリティを「外向性」「誠実性」「調和性」「開放性」「神経質的傾向」の5つの基本的な因子から説明するビッグファイブ理論が1990年代に提唱され、最近では日本のビジネス界でも知られるようになった。ところが、都市化・現代化されていない社会でビッグファイブに基づいた調査を行うと、5つの基本因子のうち2つしか現れず、調査票に用いる『パーソナリティ』という概念、つまり『状況によらない一貫性』という概念自体を被験者が理解できないケースがあるという。 ジョセフ・ヘンリック『WEIRD「現代人」の奇妙な心理 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源』は、ビッグファイブをはじめとする現代の心理学が明らかにしてきた「人間」の心理に関する研究は、西洋化されていて(Western)、教育水準の高い