オンライン形式で記者団の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2022年8月22日午後7時25分、竹内幹撮影 岸田文雄首相は22日、葉梨康弘法相とオンライン協議し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を巡る被害者救済について柔軟に対応するよう指示した。首相は「より柔軟に被害救済できるよう体制を充実させてほしい」と述べた。 首相は、9月初旬から約1カ月間を相談対応の集中強化期間とするなど18日の関係省庁連…
判決後、長崎地裁前で「勝訴」の幕を掲げる支援者ら=長崎市で2022年5月30日午前10時6分、松本美緒撮影 2007年に当時の長崎市幹部の男性から取材中に性的暴力を受けたとして、報道機関の女性記者が市に約7470万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、長崎地裁(天川博義裁判長)は30日、市の責任を認めて約1975万円の支払いを命じた。 訴状などによると、女性は07年7月、長崎原爆の日(8月9日)に市が開く平和祈念式典に向けた取材で、夜間に庁舎外で面会した市原爆被爆対策部長(当時)から被害を受けたと主張。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し入院や休職を余儀なくされたほか、別の市幹部が性的暴力を否定する虚偽の情報を広めるといった2次被害を受けたとしてい…
宝塚歌劇団で屈指の人気を誇った演出家・上田久美子が今春、フリーになった。美しく斬新で、文学性も高いヒット作を次々と生み出してきただけに、退団に衝撃を受けたファンは少なくない。上田が脚本を手がけた朗読劇「バイオーム」が6月に上演され、来春にはフランスへ留学する。籍を残す選択肢もあったが「別の山に1合目から登りたい」と退路を断った。背中を押したのは世の中の風潮への違和感だった。「世界には『ヘドロ』があるのが普通だと、もっと想像していい」と言う。 会社員から転身 就職サイトで宝塚へ 「見た人みんなが『気持ち良かった』『満足』となるものを、書きたいと思わなくなってきました」。退団の経緯を語る表情は、晴れやかだった。 演劇界には、幼いころから憧れて入ったわけではない。京都大を卒業後、製薬会社の事務職を経て、2006年に宝塚歌劇団に入団した。転職したのは、会社員が性に合わなかったから。「行き過ぎた資本
子どもの保護活動などに取り組む北海道当別町の市民団体「こどもSOSほっかいどう」は13日、親が育てられない乳幼児を匿名で預かる「ベビーボックス」(赤ちゃんポスト)と称する施設を開設したと発表した。同様の施設の開設は熊本市の慈恵病院に次いで国内2例目。ただ、提携する病院や医師は不在という。道や同町は同日、乳幼児保護後の医療体制などについて団体側と協議した上で受け入れ自粛を求めた。同団体は「運用は継続したまま協議を続ける」とした。 同団体代表で公認心理師の坂本志麻さんによると、ベビーボックスは坂本さんと児童指導員ら計3人で4月1日から試験運用。今月10日から正式運用しているが、受け入れはまだゼロ。坂本さんは、赤ちゃんポストの開設15年を迎えた慈恵病院を挙げ「子どもの命を守るためには必要。医療機関への設置が適切とは承知しているが、世界では民家の設置例もある。一人でも悲しい思いをする子どもを減らし
映画監督や有名俳優から性暴力を受けたとの女性の告発が相次いでいる。2017年には米国でも同じように大物プロデューサーが告発され、性暴力に抗議する「#MeToo」運動が世界に広がった。関連の週刊誌報道が相次いだ3月以降、芸能・エンターテインメント法務に詳しい河西邦剛弁護士の元には監督、俳優双方からの相談が増えているという。映画界で何が起きているのか?【大沢瑞季】 まず、これまでの動きを振り返りたい。「週刊文春」が3月10日発売号で、映画監督の榊英雄さんから「性行為を強要された」という俳優たちの告発を掲載。それを受けて、3月25日に公開予定だった榊監督の映画「密月」が公開中止となった。 榊監督は報道を受けて「事実の是非に関わらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております」とコメントを発表している。 続いて、「週刊女性」が4月5日発売号で、国際的に活躍する映画監督の園子
「石棺」ごと鋼鉄製のシェルターで覆われたチェルノブイリ原発4号機=ウクライナ北部チェルノブイリで2017年4月5日、ロイター ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ北部のチェルノブイリ原発を占拠していた多くのロシア兵が被ばくしたと海外メディアが報じた。ロシア軍は2月24日から占拠していた。史上最悪の原子力事故から36年もたったチェルノブイリ原発で、いったい何が起きていたのか。【吉田卓矢】 ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」は現地時間の3月31日、チェルノブイリ原発や周辺の都市からロシア軍の車列が北のベラルーシ国境へ出発したことを確認したと発表した。同原発から撤退したとみられる。ロシア軍は、事故のあった原発周辺の立ち入り制限区域内の「最も汚染された」地域で防御施設やざんごうを構築していたという。エネルゴアトムは「占領者(ロシア軍)は相当量の被ばくをしていた。反乱や脱走の動きも出て
ロシアの独立系メディアは11日、情報・治安機関の露連邦保安庁(FSB)の対外諜報(ちょうほう)部門のトップらが自宅軟禁に置かれた可能性があると報じた。侵攻を続けるウクライナでの諜報活動を担当していたといい、首都キエフ攻略などが思うように進まない中、プーチン政権が内部粛清を始めたとの見方も出ている。 FSB幹部の自宅軟禁については、ロシアの情報機関の取材を長年続けるロシア人記者が11日にSNS(ネット交流サービス)で報じ、隣国ラトビアに拠点を置く独立系ニュースサイト「メドゥーザ」などが詳しい内容を伝えている。 報道によると、自宅軟禁処分となったとみられるのはFSBの「第5局」と呼ばれる部署の局長ら。旧ソ連諸国を中心とした対外諜報活動を担当しており、容疑は資金の着服のほか、ウクライナの政治状況に関する誤った情報を報告したことが挙げられているという。
ロシア文学者で出版社「ゲンロン」代表の上田洋子さん(48)=東京都品川区=は、やるせなさを隠せない。1994年以来ほぼ毎年ロシアを訪れ、文学や演劇を通して社会の変化をつぶさに見てきた。同時にウクライナのチェルノブイリも、戦跡や災害被災地などを訪問する「ダークツーリズム」のコーディネーターとして何度も訪れ、「故郷」とも感じていた地。戦争の行方が見通せない今、両国に関わってきた文学者として一つの覚悟を決めた。【聞き手・萱原健一】 まさかの原発制圧 ――チェルノブイリ原発が、まさか武力制圧という形で世界に再び注目されるとは思いも寄りませんでした。 ◆ロシア軍がウクライナに侵攻する1週間ほど前、ベラルーシ側からプリピャチ川に浮橋を架けて軍事演習している様子が衛星写真で確認されていました。国境のすぐ近くで、ベラルーシのチェルノブイリ・ゾーン(立ち入り制限区域)内でのことです。当然、国境の先はウクライ
ロシア軍の侵攻が続くウクライナの北部にあるチェルノブイリ原発で、ロシア軍が9日、外部からの電力供給を切断した。ウクライナ国営電力会社ウクルエネルゴが発表した。施設全体に電力が全く供給されない状態になっているという。 同原発には使用済み核燃料の貯蔵施設がある。ウクルエネルゴは、燃料が冷却できなくなれば放射性物質が放出される恐れがあるとしている。これに対し、国際原子力機関(IAEA)は9日、電力供給なしでも熱を冷ますだけの十分な冷却水があるとの見解を示し、原発の安全性に「重大な影響はない」と指摘した。日本の原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は9日の定例会合で、同原発の使用済み核燃料について「(稼働を停止した)2000年から長期間たっており冷却は進んでいる」と述べている。 ウクルエネルゴは「(ロシア軍の)軍事行動が続いており電力供給の復旧作業ができない」としている。消火システムも作動せず
ウクライナ政府がロシアと戦う外国人「義勇兵」を募集しており、1日現在、約70人の日本人が志願している。在日ウクライナ大使館関係者が明らかにした。全員が男性で、元自衛官が多く「ウクライナの若い人が亡くなるぐらいなら自分が戦う」などと理由を語っているという。 ウクライナのゼレンスキー大統領は2月27日、志願者による外国人部隊を編成すると表明。在日ウクライナ大使館が同日、短文投稿サイト「ツイッター」を通じて「共に戦いたい方々」として募集した。 大使館から募集業務を委託された東京都内の企業関係者によると、1日夜までに約70人の志願の申し出があり、うち約50人は元自衛官だったという。かつてフランス外国人部隊に所属していた人も2人いた。
米国から広まった性暴力を告発する「#MeToo運動」。日本では2019年に性犯罪の刑事裁判で無罪判決が立て続けに4件出るなどして、性暴力に抗議する「フラワーデモ」が全国に広がった=福岡市中央区で2020年3月11日、矢頭智剛撮影 今月初めに発表された「2021ユーキャン新語・流行語大賞」でトップテン入りした「ジェンダー平等」。10月の衆院選では、選択的夫婦別姓や同性婚の制度導入などジェンダー政策が争点の一つになり、テレビのニュースでは連日のように「ジェンダー」の言葉を耳にした。衆院選中の全国紙など7媒体で、「ジェンダー」の言葉が登場する記事を調べてみると、2017年の前回衆院選の約43倍に。この4年で何が起きたのか。過去の報道はなぜ少なかったのか。「ジェンダー」とメディアを巡り、識者2人と考えた。【菅野蘭/デジタル報道センター】 衆院選のジェンダー関連の報道は、データベース会社「ジー・サー
ソ連が1991年12月に崩壊してから、まもなく30年を迎える。旧ソ連諸国の今を取り上げた連載(全7回予定)の第5回はソ連懐古の風潮が強まるロシアの状況を報告する。次回はロシアで強まるメディア規制を取り上げる。 ソ連末期にグラスノスチ(情報公開)が始まると、共産党政権により長年隠されてきた独裁者スターリンによる大粛清などの負の歴史の解明が進むという期待が高まった。だが、ロシアでは今、抑圧の歴史への記憶は薄まり、ソ連時代を「最良の時代」と答える人は7割を超える。何が起こっているのか。 「恥だ」「ファシスト」。10月14日夜、モスクワ中心部にあるロシアの人権団体「メモリアル」の事務所。スターリン体制下の30年代初期にウクライナで起こった大飢饉(ききん)「ホロドモール」に関する映画の上映会が始まると、約40人のマスク姿の男らが会場に侵入し、観客を罵倒し始めた。男らの後ろには政府系テレビ局のクルーま
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