(英エコノミスト誌 2014年2月1日号) 広範に及ぶ新興国の危機が起きる理由はない。しかし、神経質な投資家がそうした危機を招く可能性はまだある。 ある中央銀行が真夜中の緊急会合の後に金利を2倍に引き上げる。また、ある国が、外貨準備高が少なくなり、大幅な通貨切り下げを強いられる。トルコとアルゼンチンで最近起きた出来事には、1997~98年の新興国危機の初期段階との不気味な類似点がある。 当時の惨事は、他国とは無縁のタイの問題から始まった。だが、投資家がすべての新興国資産から逃げ出すと、それが全面的な値崩れに姿を変え、通貨が暴落し、各国経済が落ち込み、対外債務が返済不能であることが分かった。2014年はその再来をもたらすのだろうか? 楽観論と悲観論の根拠 国際通貨基金(IMF)を含む楽観論者は、それを否定する。彼らいわく、1997年当時と比べると、ほとんどの新興国は脆弱性が大幅に低下している