最近、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、日本との平和条約締結を望む旨を発言し、北方領土問題と結び付けられて、話題に上るようになった。これまで隣国との関係と言えば、朝鮮半島や中国、台湾との間で語られがちで、ソ連時代は厚い政治的ベールに覆われていたためか、現在でも日本人のロシアに対する関心は、相対的に薄いように思われる。 返還を求めている北方4島のうち、最も北海道と近い歯舞群島の貝殻島との間は、わずか3.7kmの海峡を挟んでいるだけ。北海道とサハリンとの間の宗谷海峡の最狭部も約42kmにすぎない。これは対馬と朝鮮半島との間の対馬海峡西水道(朝鮮海峡)の約50kmより狭く、与那国島と台湾との間は100km余りもあることから、実はロシアが「いちばん近い隣国」なのである。 サハリンの鉄道で改軌が進捗 サハリンには「樺太」と呼ばれた日本統治時代に鉄道が敷設されている。歴史的な経緯により、軌間は日