自信とゆとりにあふれているように見えた。10月12日、打ち上げ予定時間の約40分前から、JAXAの中継番組がネットで放映された。ロケットの担当者などが出演し、笑顔でロケットや衛星について説明した。 だが、直後に事態は暗転する。ロケットの姿勢が乱れ、目指す軌道に衛星を入れることができなくなった。JAXAは打ち上げ6分28秒後に、地上から電子信号を送り、ロケットを「指令破壊」。ロケットはフィリピン東方の海上に落下したとみられる。 日本のロケットが打ち上げに失敗したのは、2003年の「H2A」6号機以来、19年ぶりのことだ。「指令破壊」という刺激的な言葉は、すぐにSNSでトレンド入りした。 ロシアのウクライナ侵攻後、世界で今、ロケット不足が起きている。ロシアのロケットを、諸外国が衛星打ち上げに利用できなくなったためだ。そんな中での日本の失敗。ロケット不足に拍車をかけるだけではなく、安全保障上のマ