かつてオウム真理教事件を追ったジャーナリストの江川紹子さん(64)は2年前から、神奈川大で教壇に立っている。メディア・ジャーナリズム論と並んで、担当するのがカルトに関する講義だ。初回の授業ではカルトから連想する言葉を自由に書いて提出してもらっているが、最近、学生の回答内容に目に見えて変化があったという。 「今年の前期までは、具体的な団体名として出てきたのは圧倒的にオウムでした。だけど先日あった後期最初の授業では、一気に『統一教会』と書く学生が増えたんです」。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題が連日取り沙汰され、その影響が如実に出た格好だが、「逆に言えば、これまで全く知らなかったんだなって」。メディアが取り上げなくなった「空白の30年」を、いみじくも学生の反応で実感したのである。 カルト教育は、江川さん自身が長く実現を望んできたものだった。オウムに入信した当時の若者たちは、何も特別
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