大方の予想を裏切り、米大統領選でドナルド・トランプに完敗したヒラリー・クリントン。 なぜヒラリーは嫌われ、トランプは支持されたのか――予想を外した専門家たちが、名誉挽回とばかりに分析を始めたが、「既成政治批判」や「製造業の白人労働者の不満」など、いずれも同工異曲。いまいち決定打に欠ける感が否めない。 そんな中で注目を浴びているのが、昨年2月に『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮社)を刊行した森本あんり・国際基督教大学(ICU)副学長だ。トランプ当選直後から、マスコミ各社の取材依頼が押し寄せているという。 以下、森本教授に話を聞いた。 「トランプ人気の背景には、アメリカ特有の知的伝統である〈反知性主義〉があります。よく誤解されてしまうのですが、〈反知性主義=バカ〉ではありません。〈反知性主義〉とは、知性そのものへの反対ではなく、知性が権力と癒着して人々の生活に余計な口
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