粗野で無教養、差別意識を隠そうともしない南部の白人男性たち――そんなイメージで語られがちな共和党候補ドナルド・トランプ(70)の支持層だが、世界中の英知が集うハーバード大学にも、隠れた支持者たちはいる。昨年の夏から1年間、同大学のロースクール(法科大学院)に留学していた山口真由氏が、“隠れトランプ旋風”の実状を明かす。 *** さて、ここまでハーバードにおけるトランプ支持者の“思惑”に触れてきた。だが、トランプを支持していたのは彼らのような熱心な共和党支持者や、キリスト教徒だけなのだろうか。 私は思い出していた。ハーバード・ロースクールの友人であるケヴィンが、 「ヒラリーは信用できない。トランプの方がまだ信用できるよ」 と、酔った勢いで呟いていたことを。 「表現の自由」について学ぶクラスで、リベラルな教授は言う。 「共和党の指名争いは、歴史上稀に見る恥ずべき状態になっている」