匿名論説の一件はニューヨーク・タイムズにとって大失態だった ANDREW LICHTENSTEIN-CORBIS/GETTY IMAGES <大々的に報じられたニューヨーク・タイムズの2018年の「トランプ批判」匿名論説だが、先日、その筆者が明らかになった。「ジャーナリズムの失態」「国家安全保障を脅かした」と、米共和党の大物議員マルコ・ルビオが批判する> 真実が靴を履いている間に、嘘は世界を半周する──と言われる。自由で公正な報道は、偽情報に対する最強の防衛手段の1つだが、その報道を担当する機関は真実を追求し、自らの立場に見合う仕事をしなくてはならない。 ニューヨーク・タイムズ(NYT)は2018年9月、匿名の「トランプ政権高官」による論説を掲載した。政権内部からのトランプ批判の論説がNYTに掲載されたことをメディアは大々的に報じ、外国のプロパガンダ機関はアメリカの不安定さの証しだと指摘し