<ベルサイユ宮殿の寵児として生まれたが、僅か10年で生涯を閉じたルイ17世――。「残忍な虐待」の犠牲者となったフランス王家の子どもの一生を、フランス人歴史学者が解説する> 没後200年以上経った現在でも、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットは、その豪華絢爛な生活様式とドラマチックな人生で、世界の人々を魅了し続ける。 一方で彼らの息子、ルイ=シャルルことルイ17世の存在は、あまり世間に知られていない。それも彼が壮絶な「身体的虐待」、「ネグレクト」、「心理的虐待」の被害者だったことは――。 現在も残る肖像画に描かれているルイ17世は、青い瞳、赤みがかった髪が印象的な可愛らしい子供だ。 4歳でドーファン(王太子)となり、母から「愛のキャベツ」と呼ばれて可愛がられたが、幼児期に起こったフランス革命により、波乱に富んだ人生を送ることになる。そんなルイ17世の、たった10年の生涯とはどのようなものだ
