読書感想文を書きます。今回のお題はジャック・デリダの“Mal d’archive”。95年にガリレー社から出版されたこの本は、アーカイブという概念をひとつの軸としてフロイトを論じているものです。まず一読して、技術やメディアの問題に関する自分の興味関心からいって、これをいままで読んでいなかったのはきわめて重大な手落ちだと痛切に思い知りました。またそれだけではなく、その分析というか、フロイトの議論に寄り添いながら同時にそれを切り刻んで少しずつ新しい光景を示していく手際は、その他の多くのデリダの著作に比べても、格段に鮮やかであるように思いました。まだ読み終わってからそれほど経っていない(一週間くらい前ですが)というのもありますが、いまのところ、この“Mal d’archive”はデリダの最高傑作の部類に入る、というような印象を持っています。 この“Mal d’archve”というタイトルをどう訳
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