私は、自身の研究対象であるクマムシのキャラクター「クマムシさん」を、数年前からプロモーションしている。この活動の大きな目的のひとつは、キャラクターを入り口として人々が生物や自然に親しみを持ってもらうことだ。 実際に、クマムシや昆虫にまったく興味がなかったが、クマムシさんのグッズを買ってから本物のクマムシを知り興味を持った人が何人もいる。そのような人を目の当たりにするのは本当に嬉しく、それと同時に、啓蒙活動をするにあたって、啓蒙対象を絞らず間口を広くしておくことの大切さを再認識させられる。 最近は虫をモチーフにした作品を出展するイベントも増えており、私の観測範囲では空前の虫ブームが起きているようにも感じる。だが、「虫イコール気持ち悪い」という固定観念が植えつけられてしまった人も多いのが実情だろう。最近では、虫を触れない若年層が増えているという声も聞こえてくる。ちょっと虫に興味があるが、はまる